- 堀田圭江子/音楽療法セラピスト®、音楽療法士、産業カウンセラー
- 洗足学園音楽大学 声楽家卒業。高校教員を経て音楽療法士となる。
25年以上の音楽療法の臨床経験を生かし「音楽療法セラピスト®養成講座」を主宰。
音楽療法セラピストを志す後進の育成にもあたっている。
最近のレクリエーション活動では
認知予防のための音楽プログラムが
以前に比べて色々な所で実施されるようになりました。
そして多くは
「脳を活性化させる」ことを目的に
行われていると思います。
そこで本日は
「認知予防の音楽プログラムをより効果的にする方法」
について事例を通してお話しします。
高齢者施設で行った認知予防セッションの様子
先日、
ある高齢者施設で認知予防のセッションを行いました。
ちなみにプログラムは次のとおりです。
- あいさつ
- 自己紹介
- 体操
- 前回リクエストされた曲を歌う
- 今月の歌(おぼろ月夜)を歌う
- リズム模倣(全員で手拍子で行う)
- 卒業にまつわる歌(仰げば尊し、蛍の光)を歌う
- リクエストを募る
- 終わりの歌
そして
セッション後に久しぶりに参加した職員さんが
こんな感想を話してくれたのです。
職員さん:
私、数ヶ月ぶりにセッションに参加したんですけど
利用者さんたち、すごく集中してましたね。
他のレクや活動では
あんなに集中してないですよ。
堀田:
そうなんですね。
職員さん:
でも、なぜあんなに集中できるんでしょうか。
他のレクとは何か違うのはわかるんですけど、、。
堀田:
では、種あかしをしましょう(笑)。
実はプログラムを行う際に
「目的を説明していた」のです。
例えば
「次のプログラムは前頭葉を活性化させる
プログラムです。
1回目は歌詞を見て歌いますが
2回目は歌詞を見ないで歌いますよ。」
などと説明していたんですよ。
職員さん:
ああ、そうでした。
先生、説明してました。
堀田:
そうなんです。
プログラム前に目的を説明することで
利用者さんたちは自分が何をやるのか意識できますよね。
自分のやることに意識を集中させるため
自然に集中力も高くなったのだと思います。
職員さん:
そうなんだ。
確かに目的がわかればやる気も出るし
集中できますもんね。
堀田:
そうです。そうです。
職員さん:
なるほどね。音楽療法以外でも使えそうですね。
私も他の場面でやってみます。
という話を
職員さんとしました。
脳の活性化を促すプログラム重要ポイント
最近では
認知予防のための音楽プログラムが
以前に比べて色々な所で実施されるようになりました。
そして多くは
「脳を活性化させる」ことを目的に
行われていると思います。
しかし
脳の活性化を促す
効果的なプログラムにするためには
重要なポイントがあります。
まず
- 脳のどの部分を活性化するのかを明確にすることです。
さらに
その部分を活性化するためには
- 脳の働きを使って音楽ではどのようなことを
したらいいのかを考えていくのです。
例えば
前頭葉を活性化したい場合だと
前頭葉には「記憶の一時保存」の
働きがあるためその働きを活用し、
実際のセッションでは
「歌詞を覚えて、歌詞を見ないで歌う」
というプログラムになります。
なので
脳の活性化を促す
効果的な音楽プログラムを作るためには
「脳の働きの理解」と
「音楽プログラムを作成する時のアィディア」
の2つが必要なのです。
と言われても
2つともどうやって学べばいいか
わからないと悩まれる方も多いと思います。
そんな場合には
音楽療法セラピスト®養成講座
「脳血管性障害の音楽療法」があります。
この講座は
- 脳の働き
- 脳の働きを活用した音楽プログラムの作り方
- 失語症について
- 高次脳機能障害について
- 中途障害の方の心理
- 本人の意思を尊重した関わり方
について学ぶことができます。
脳の働きについては
実例をあげてわかりやすく解説しますので
理解が深まります。
では今日はこの辺で。
音楽療法セラピスト® 堀田圭江子