- 堀田圭江子/音楽療法セラピスト®、音楽療法士、産業カウンセラー
- 洗足学園音楽大学 声楽家卒業。高校教員を経て音楽療法士となる。
25年以上の音楽療法の臨床経験を生かし「音楽療法セラピスト®養成講座」を主宰。
音楽療法セラピストを志す後進の育成にもあたっている。
こんにちは、堀田です。
本日は介護での「引き算の援助」についてお話しします。
先日
テレビ東京のガイアの夜明けで
常識を変える介護施設「夢のみずうみ村」が放送されました。
その施設はバリアフリーの反対の「バリアアリー」でできており
階段や段差は当然、廊下や部屋にはあえて障害物も配置されてある所でした。
そこは
介助なしで立ち上がることもできなかった人が、
1年半で歩けるように回復した例もある
自立や回復に向かえるディサービスです。
夢のみずうみ村の代表・藤原さんは
「介護しない介護」がある
とおっしゃって、
自分にできることは自分で行うことを推奨されています。
例えば
- マヒがある方でも自分で上着を着るとか
- 食事のお盆やお皿を自分で持つとか。
(ちなみにそこはバイキング形式の食事)
では
介護スタッフは何もしないのか?
というとそうではなく
利用者さんに
「○○さん、大丈夫ですね?できますね?」
と声をかけ、
いざという時は手を貸せるように
少し離れたところから見守っていました。
そして 藤原さんのお話しの中に「引き算の援助」ということもありました。
引き算の援助とは
このお話しを聞いた時
「わー、私と同じ考えだー!」
と、とても嬉しくなりました。
実は私も音楽療法セラピスト養成講座で
「引き算の援助」についてお話しさせていただいておりまして
音楽療法のセッションでも引き算の援助を実践しています。
実際のセッションでは
- やる気がなさそうだったり
- マヒがあったり
- 居眠りをしていたり
- 発語がなさそうに見える方にでも
私は、太鼓をたたくプログラムや歌詞読みやいろんな質問をしていきます。
そして
手や体に触れて手伝うとか、やってあげるような援助(サポート)はしません。
でも
ほとんどの方は自力でできますし、何らかの反応が返ってきます。
なぜでしょうか?
答えは
彼らは出来ない人ではなく
「出来る力を持ってる人」
なので、
できる環境や機会を作ることでその力は発揮されるのです。
ですから
私たち援助者は、
どんどん手を引いていく引き算の援助をする必要があるのです。
しかし
音楽療法で引き算の援助をする場合 まず一番最初に行うことがあります。
それは
「対象者の正しい理解」です。
クライアントさんの正しい理解なくして
治療目標の設定できません。
治療目標があって
効果のある音楽療法が実践できるわけです。
音楽療法セラピスト養成講座では、
引き算の援助についても、さらに詳しくお話ししています。
今までの概念や思い込みをひとまず脇において、
改めて高齢者や障がい児についての理解を深めてみませんか。
では、今日はこのへんで。
音楽療法セラピスト 堀田圭江子