- 堀田圭江子/音楽療法セラピスト®、音楽療法士、産業カウンセラー
- 洗足学園音楽大学 声楽家卒業。高校教員を経て音楽療法士となる。
25年以上の音楽療法の臨床経験を生かし「音楽療法セラピスト®養成講座」を主宰。
音楽療法セラピストを志す後進の育成にもあたっている。
こんにちは。 堀田です。
さてさて
本日は見えない障害と言われている「高次脳機能障害」についてお話します。
高次脳機能障害とは
生まれながらに脳に障害がある先天性障害の場合と
交通事故や脳こそくや脳出血や高熱の病気などによって
脳の損傷による後遺症などの後天性障害のことです。
■主な症状とは
- 記憶障害
受傷後はもの覚えが悪くなる。
受傷前のことは覚えている場合とすべて覚えていない場合がある。 - 注意障害
集中力が短い
注意散漫
半側空間無視 - 遂行障害
目的に合わせて計画や段取りができない
また実行できない - 社会的行動障害
意欲低下
感情のコントロールの困難
対人関係の障害
依存的行動
固執 - 失語症
などなど。
■個人差が激しいのも高次脳機能障害の特徴です。
では、 彼らはなぜ見えない障害と言われるのか?といいますと
特に事故などで障害を受けた場合、
骨折などの外傷は回復して後遺症がない場合
外見は元気になるので、脳に障害があるとは見られないからです。
それだけに
■誤解されてしまう場合もあるようです。
最近では、
料理研究家のケンタロウさんもバイク事故で
この障害になったといわれていますように
バイクや車の運転をされる若年の男性に多いのも特徴です。
また、高次脳機能障害の方は 症状や回復の度合いが様々です。
軽度の方ですと 集中力や記憶力に合わせてお仕事を変えて復帰したり
身の回りのことは自分でできるようになったりします。
しかし
重度になりますと、寝たきりだったり
全介助が必要になる方もいらっしゃいます。
■要するに
脳のどの部分にダメージがあるかで
症状も回復も違いでがでるわけです。
ではこのように 複雑で重複した症状を抱えているクライアントさんと
音楽療法をする場合、必要なことはなんでしょうか?
それは
■「脳の機能」と「高次脳機能障害」について学び
また
■人生の半ばにして、障害を受けてしまった方の心理を理解をすることです。
実は
私のクライアントさんにも、
10代でバイク事故を起こしこの障害となった方がいます。(現在は30代)
彼はてんかん発作と短気記憶障害と、失語症、固執、
集中力が短く、感情のコントロールも難しい状態でした。
しかし
現在はてんかん発作の減退と固執が改善され、
また感情のコントロールも可能となり
対人関係も改善されています。
彼とは5年間音楽療法をしています。
このような変化につながったのは、
上記にも話ましたが、
■「脳の機能」と「高次脳機能障害」について学び
また
■人生の半ばにして、障害を受けてしまった方の心理を理解してから
セッションを実施した経緯があったからです。
音楽療法に
脳の知識はあまり関連性がないように思われるかもしれませんが
そうではありません。
人間の体のこともしっかり知って、 そのうえで音楽の特性を活用する。
それが効果を出す音楽療法の肝だからです。
高次脳機能障害の方への効果的な音楽療法とは?
この続きは講座でお話します。
あなたもぜひいらしてください。
詳細はこちら
>>>「脳血管障害の音楽療法」
では、今日はこのへんで。
どうぞ風邪などひかれませんように。
音楽療法士 堀田圭江子