- 堀田圭江子/音楽療法セラピスト®、音楽療法士、産業カウンセラー
- 洗足学園音楽大学 声楽家卒業。高校教員を経て音楽療法士となる。
25年以上の音楽療法の臨床経験を生かし「音楽療法セラピスト®養成講座」を主宰。
音楽療法セラピストを志す後進の育成にもあたっている。
こんにちは、堀田です。
さて、本日は
「チームワークでクライアントをサポートするメリット」についてお話しします。
先日の出来事をお話ししますと、、、
とある特別養護老人ホームでのセッションで、
セッションが始まる前のこと。
セッションのお部屋には、
クライアントさんが一人ずつ誘導されていらっしゃいます。
最初にいらした方と最後にいらした方の時差は30分。
私はその間、
なるべくお一人お一人に、話かけるようにしています。
そのお一人に
女性の80歳代の方がおられて、
その方は軽い知的な障がいもあり、また発語が不明瞭な方です。
彼女いわく、
「私の言葉は、分かってもらえないから、あまり喋りたくないの。」と。
しかし
堀田とは同じ北海道出身ということで、
彼女から積極的に話をしてくれるようになり、
今ではいろいろな話をするようになりました。
そんな彼女が、
先日のセッションに参加する歳、頭に包帯をしていたので、
「頭、ケガでもしたのですか?」と私がお訪ねしたところ、
「おできができたの、先生触ってみて」というのです。
触るのはどうかなと思いましたが、
恐る恐る包帯の上から触ると、本当にこんもり腫れていました。
そして彼女は
「先生、これどうしようか?切っちゃう?悩んでるの。」といいました。
それで私は
「看護師さんにも相談して、
よーく考えてからでもいいんじゃないでしょうかね。」と答えました。
そうすると
彼女は笑顔で「そうね、考え中にするわ。」といい、
安心した顔でセッションに参加しました。
セッション後に私は早速相談員と介護職の方にこの話をしました。
彼らは
クライアントさんに、
おできができていたことは知っていましたが、その部位は知らず。
また
クライアントさんが、どのような気持ちでいたかは
全く理解していませんでした。
それで
この後からは、そのクライアントさんの様子に気をつけ、
コミュニケーションを増やしているとのこと。
私もホッとしました。
実はこのクライアントさん、
普段何か問題を起こしたり、他の人に危害を加えたりする人ではないので、
介護職からは声をかけられたり注目されることが少ない人なのです。
それで
知らず知らずのうちに、認知症が進行していくパターンです。
それを
防ぐためにも音楽療法のメンバーに選ばれました。
このように、
クライアントさんのサポートは、
他職種が情報を交換しあっていくものだと思います。
私も
介護職のスタッフを始め、他職種のスタッフと情報や意見を交換するたびに、
クライアントさんに対するいろんな気づきとアイディアが出てきます。
そして
「今度はこの方向性でやってみようか」とチーム一丸となった時、
クライアントさんにも変化が現れるものだと今までも何度も経験しています。
そこで
他職種と意見や情報を交換する時に必要になるのは、
病気や障がいに対する知識と、音楽療法的視点からの意見です。
これは
簡単ではないと思います。
そして
終わりがないものだとも思います。
また
音楽の知識とは違うものでもありますので、
私も勉強するのは大変でした。
しかし
クライアントさんにより良いサポートを提供するためにも
あなたの成長のためにも諦めずに学び続けてくださいね!!
ところで、来週は
「脳血管性障害の音楽療法」を行います。
脳卒中や失語症などの特徴や心理面、
そして音楽療法ではどこにポイントをおいて
セッションを行えばいいのかについて学んでいきます。
他職種との連携や情報交換をスムーズにするためにも
よろしければご一緒ください。
音楽療法セラピスト養成講座
では、今日はこの辺で。
音楽療法セラピスト 堀田圭江子
追伸:
参考に
「脳血管性障がいの音楽療法」に参加された受講生の感想もどうぞ!!
※Sさん 女性(51才)アルバイト
まだ途中ですが、音楽が脳や人の心に与える影響等が
少しずつ理解できてきたと思います。
また、今回の講座で、脳血管性障がいの具体的な違い等、
非常に参考になりました。
講座に参加するようになってから、
利用者さんの見せる反応に対して、次はどうしていけばいいか、
より効果的な方法を考え、工夫するようになったと思います。
ありがとうございました。
※Tさん 女性(50才) 養護学校教員
堀田先生の実践からさまざまな実例が話され、とっても興味がもてた。
お話しをきいて高齢者の音楽療法は挑戦してみたいと思いました。
失語症プログラム注意点のコツ(セッション前のチェック)
ありがとうございました。大事にします。
※Kさん 女性(44才)専業主婦
学問的なことを越えて、人を観察する上で一番大切なことを認識しました。
短い時間でとても分かりやすく(障害について、援助について、治療について)
説明していただき、自分の身になったと感じます。
ありがとうございます。
※Kさん 男性(54才)介護職
現在働いているホームの入居者の状態がよく理解できるようになった。
又、そのことで現状維持のためにもっとできることがあることにも気づけた。
音楽療法講座というより、人間学の学びに感じます。
人生を生きることにとても役立つと思いますので、
これからもよろしくお願いします。
講座の詳細は
>>>音楽療法セラピスト養成講座