- 堀田圭江子/音楽療法セラピスト®、音楽療法士、産業カウンセラー
- 洗足学園音楽大学 声楽家卒業。高校教員を経て音楽療法士となる。
25年以上の音楽療法の臨床経験を生かし「音楽療法セラピスト®養成講座」を主宰。
音楽療法セラピストを志す後進の育成にもあたっている。
さて本日のお話しです。
今日は「ご機嫌が良くなる音楽療法」のお話しです。
先日、
ある高齢者のディサービスでセッションしました。
その日は
15人くらいのグループで行ったのですが
その中に90歳代のある男性(kさん)がいました。
その方は
最近機嫌が良くないことが多く
セッション中、傾眠しているか
一言も喋らず仏頂面で腕を組んでいるのです。
そんなKさん、
今回はセッションが始まる時から
職員さんが「輪の中に入ろうよ」と誘うのですが
「嫌だ」と言って入らず。
みんなの輪より、少し後ろに座っていました。
そして
セッションが始まり
太鼓のプログラムでは、セラピストが差し出しても
「やらねえ」と言って拒否。
そんな様子だったので
私は内心「今日はダメかもしれないな」と
諦めかけていたのです。
そして
歌のプログラムに移り
歌詞をみんなで音読していた時のことです。
ふと
Kさんを見てみると
口が歌詞の通りに動いているのです。
もう一度見て確認しましたが
やはり歌詞を読んでいたのです。
それから
歌う場面でも
Kさんはさらに大きな口を開けて
歌詞を見ながら歌っていました。
セッションが終わる頃には
機嫌もすっかり良くなり
私にご挨拶までして
お帰りになりました。
というように
でも楽しくセッションすれば
そのような変化が見られるというわけではありせん。
実は
先ほど紹介しましたKさんの例では
次のようなことを準備したり、意識したりしていました。
- 参加の仕方を強制しない
「○○しましょう。」と誘って、本人が嫌だという場合は
強制しない。でも、時間をおいて再度誘ってみる。 - 拒否されても動じない
自分の提案を拒否されて気分が良いという人はいません。
また、「自分のせいで相手が気分を害されたのではないか」と
思うこともありますが、拒否もクライアントさんが
出してくれた「貴重な意思表示」であると理解する。 - クライアントさんの好きな曲を調べておく
Kさんの認知症の症状が進行してきたことをあらかじめ知っていた。
私たちは、Kさんの好きな曲をあらかじめ準備しておき
彼が少しでも楽しく参加できるようにしておいた。
などです。
このようなことを
事前に準備したり注意しておくことで
認知症の症状の進行がみられる方でも
気分を変えられるセッションが可能になります。
参考にしていただけたらと幸いです。
この他にも
認知症をはじめ、
高齢者の方への有効な音楽療法の注意点やコツは
まだまだたくさんございます。
その詳細については
音楽療法セラピスト養成講座「高齢者の音楽療法1と2」でお話しします。
音楽療法セラピスト養成講座は、
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それでは
今日はこの辺で。
音楽療法セラピスト 堀田圭江子