- 堀田圭江子/音楽療法セラピスト®、音楽療法士、産業カウンセラー
- 洗足学園音楽大学 声楽家卒業。高校教員を経て音楽療法士となる。
25年以上の音楽療法の臨床経験を生かし「音楽療法セラピスト®養成講座」を主宰。
音楽療法セラピストを志す後進の育成にもあたっている。
さて本日は「ダウン症の方への音楽療法 その2」です。
前回のお話しは、、、
発語がない18歳のダウン症の男性が
ストレスが原因で円形脱毛症になってしまった。
それで
言語でのコミュニケーションがとれるようになるために
まずは発語を促すセッションをすることになった。
というところでした。
ではその続きをお話しします。
まず声をだすことを目標に実際には深呼吸をすることから始めました。
やってみると
呼吸はかなり浅く、
長く息を出したり吐いたりすることが難しかったです。
でも
3ヶ月ほどは深呼吸をしたり
ラッパを使って息を長く吐くと言うことを続けました。
しかし
声をだすというところにはなかなか到達しませんでした。
困った私は、
セッション中の様子をビデオにとり、彼をくまなく観察してみました。
すると
彼のある特徴に気がつきました。
それは
「首を大きく振ってうなづく」という行動でした。
そしてその行動を発見し、
一つのアイディアが生まれました。
それは、、
「首を動かす動作に発声を結びつけたらどうだろう」
というものです。
私には
彼のその動作が嫌がっている動作ではなく
首や上半身を使って、
「言葉を発したいけどうまくできない」というように見えたのです。
その次のセッションからは、次の方法で試してみました。
- 自分の名前を呼ばれたら、
手をあげて「はーい」と声を出して返事をする - できたら褒める
- 最初は音楽を使わず
名前を呼んで答えるという方法だけで実施する - その後は
彼の名前を呼ぶ歌を使って、
曲の中でも彼に歌いかけて答えてもらう
もちろん
最初は手はあげても
声は出ませんでした。
しかし
そしてそれからは
歌で歌いかけると、「はーい」と答えるようになり、
気がつくと
ダウン症の方への音楽療法のポイント
音楽療法では今回のように
クライアントさんの行動の特徴を正確に理解することで
発語を促すことも可能になります。
そのためには
繰り返しになりますが
クライアントさんの現状を正確に理解し、分析できるかがカギになります。
とは言え
クライアントさんは、一人ひとり症状や特徴が違い
なかなか正確に把握することが難しいものです。
特に
発達障がいについては
教科書通りにはいかないものです。
そんな時
参考にしていただけるのが
音楽療法セラピスト養成講座「障がい児の音楽療法1」です。
ぜひ
クライアントさんの理解や
充実した音楽活動にお役立てください。
音楽療法セラピスト養成講座は、
どの講座からスタートされても大丈夫です。
音楽の専門知識や、特別な準備は必要ありません。
10名の少人数制ですのでリラックスして参加でき、
知りたいことや聞きたいこともその場で質問可能なので、
より理解が深まります。
さらに現場実習にも参加することで
学んだことを現場で実践しながら
確かなスキルとして身につけていただけます。
それでは
今日も元気にまいりましょう!
音楽療法セラピスト 堀田圭江子
「障がい児の音楽療法1」に参加された受講生の感想も参考にお読みください。
※Yさん 女性(50才)神奈川県 介護職
障害の名前は知っていてもどういう症状なのかまで分からなかったのが、おかげさではっきりしました。
※Tさん 男性(67才)茨城県 無職
障害の実態を知ることが出来ました。
※Mさん 女性(54才)神奈川県 その他
それぞれの障害のセッションに対する注意などを知ることが出来てよかったです。
※Iさん 女性(43才)東京都 ピアノ講師
現場での具体的な体験談もたくさん聞けて勉強になりました。
※Nさん 女性(28才)静岡県 会社員
セッションに入る前に、クライアントの特徴をよくとらえておいたりとか、
母親のフォローとか、音楽とは別のところの準備にもかなりの力を注ぐという点が意外でもありました。
あなたのペースで学べて、
実習制度が充実しているので本物の実力が身につく
「音楽療法セラピスト養成講座」