- 堀田圭江子/音楽療法セラピスト®、音楽療法士、産業カウンセラー
- 洗足学園音楽大学 声楽家卒業。高校教員を経て音楽療法士となる。
25年以上の音楽療法の臨床経験を生かし「音楽療法セラピスト®養成講座」を主宰。
音楽療法セラピストを志す後進の育成にもあたっている。
こんにちは、堀田です。
さて、本日は音楽療法では「2重課題は難しいよね」というお話しをしてみたいと思います。
私はよくスポーツクラブに行きますが
そこでは
エアロビクスやアクアビクス(プールの水の中でダンスする)のクラスにも参加します。
要は
音楽に合わせて動くわけですが、
イントラの先生は
「はい、音楽に合わせて」とか「音楽に遅れてるよ」とか
参加者にげきを飛ばします。
それでも我々の動きが悪いと
「今日は、いまいちのりが悪いですか?」などと聞いてきたりします。
確かに
「今日はのれないなあ」と自分でも感じる時、私は癖で分析を始めます。
なぜ、今日はのれないのか?
答えは、、、
「音楽を聞いていないから!」だったのです。
エアロビクスやアクアビクスには動きや踊りの「ふり」がつきます。
その振りを、先生の動きを見て覚えないとならないのです。
その覚えることとは
ひとつだけではなく、あるまとまり(4つや5つの動き)を
一時記憶しておかなければならず
これが結構大変なのです。
私もエアロビクスを始めた当初は
その振りを覚えることができず、
みなさんから遅れをとってばかりいました。
■そんなわけで
覚えることに必死な時、音楽を集中して聞けているかといえば
それは「NO!」です。
■まずは
振りを覚える、そして覚えられたら、はじめて音楽に合わせられるんです。
■その次に
音楽を聞きながら楽しんで、体を動かせる。
■いわゆる
その時が「のれてる」状態になのですね。
■このように
音楽を使って何かをすることは多くあります。
実は音楽療法の場面でも
「歌いながら楽器を演奏する」とか「歌いながら体を動かす」など
私も過去には実施していたことがあります。
歌いながら何かをすると、、、
- 楽しそうな雰囲気になる
- にぎやかになる
- 盛り上がっている感じになる
- からだ全体を使っているような気がする
- 効果が高いような気がする
と思いがちですが
しかし
クライアントさんたちをよくみてみると
「口は動いているけど、手は動いてない」とか
「手は動いているけど歌ってない」など
活動している部分は1つだけだったということがわかりました。
つまり
「1度に2つのことをするのは難しい」ということ。
なので
実際のプログラムを実施する場合は
クライアントさんの状況を正確に理解し
- 歌のプログラムでしたら「歌う」
- 楽器のプログラムなら「演奏する」
というように
1つのことに集中することをおすすめします。
プログラムを提供する人は
見た目や雰囲気に振り回されることなく
クライアントにとって本当に意味があるものかどうかを考えていきたいものです。
特に認知症の方や障がいを持ってらっしゃる方への
プログラム考える場合は意識してくださいね。
そんなわけで
良かれと思っていたことも、
実はそうでもなかったということってあるものです。
しかも
自分ではなかなか気づけないのも事実。
しかし
自分以外の人の考え方やアイディアを聞く事で
それを解決することは可能です。
そんな機会に
音楽療法セラピスト養成講座を活用していただけたら嬉しい限りです。
次回は「障がい児の音楽療法2」の開催です。
発達障がいの方への音楽での関わり方や
実際の音楽の使い方についても音楽や楽器を使いながら説明していきます。
とても楽しい講座ですので、ぜひご参加くださいませ。
>>>音楽療法セラピスト養成講座
それでは
お互いに残暑を乗り切っていきましょう。ご慈愛くださいませ。
音楽療法セラピスト 堀田圭江子