- 堀田圭江子/音楽療法セラピスト®、音楽療法士、産業カウンセラー
- 洗足学園音楽大学 声楽家卒業。高校教員を経て音楽療法士となる。
25年以上の音楽療法の臨床経験を生かし「音楽療法セラピスト®養成講座」を主宰。
音楽療法セラピストを志す後進の育成にもあたっている。
認知症の方とマンツーマンで音楽療法してみましたので
そのお話しをしたいと思います。
先日
ある特別養護老人ホームさんで
認知症のクライアントさんと私で20分間くらいの個別セッションをしました。
その方は70代男性。
認知症と失語症がある方です。
昨年11月までは少人数のグループでセッションに参加していましたが
血圧が不安定だったり、風邪ひいたりと体調が悪くなり、
60分間のグループセッション参加が難しくなったため
セラピストとマンツーマンの個別セッションへの変更になりました。
その男性は
グループセッション参加の時には、楽器の演奏は張り切ってされるのですが
失語症ということもあり、質問には短い答えでしか返してくれませんでした。
しかし今回、個別セッションではこんなことが、、、、
雪(ゆーきやこんこ)を私がピアノで弾き、男性と一緒に歌いました。
その後の会話です。
堀田:◯◯さん、犬か猫を飼ったことありますか?
男性:はい。いぬ。いぬです。
堀田:そうですか。犬は何色でしたか?
男性:じゃ、じゃいーろ。
堀田:茶色ですか?
男性:はい。そ、そーです。
堀田:名前はなんですか?
男性:コロ
と、ここまでは以前と同じで短い答え方でした。
堀田:へー、コロかあ。かわいいですね。
と私が言ったあとに、、、、
男性:ぼくがひろった。公園でひろった。えさをあげて散歩もした。
とそのクライアントさんが自発的に話してくれたのです。
堀田:そうなんですね。コロは◯◯さんが助けてあげたんですね。そうなんだ。そうなんだ。
と私が答えると、、
男性:うん。(笑顔で)
そうして
一緒に歌えたことや話ができたことがとても嬉しかったと彼に伝え、
次回のセッションの予告をしてその時間を終えました。
私はとても驚きました。
なぜなら
その男性が自分から発言してくれるとは予想していなかったですし
犬をひろってきたことをあんなに詳細に思い出してくれ
語ってくれるとは思っていなかったからです。
でも
■個別セッションは
他の人に遠慮や気兼ねすることもなく
一人のためだけに時間を使えるので
セラピストはその人のペースに合わてセッションをすることができます。
■クライアントさんは
その環境におかれることで
安心し、マイペースでセッションに参加できるため
今回のような反応も出しやすくなるのではないかなと思ったのです。
ですので
上記の男性は、今後も個別セッションを継続し
効果を観察していくことになっています。
■ただし
どんなクライアントさんにも個別セッションが適応するわけではないので
万人におすすめとはいかないのですが、、、。
ではどのような方におすすめなのかを含めた
詳しい個別セッションについてのお話しや
認知症の方への有効な音楽療法についてのお話しは
こちらでします。
↓ ↓ ↓
音楽療法セラピスト養成講座
ぜひ
ご確認ください。
参考に「高齢者の音楽療法1」に参加された受講生の声をどうぞ!
※Yさん 女性(40才)会社員
認知症であっても一人の人間として尊重していくこと、決してかわいそうな人では
ない、かわいそうな人にしてはいけないということが印象に残り、心がけていきたいです。
※Wさん 女性(56才)ピアノ教師
認知症の姑を間近で見ていたため「もし、自分がなったらどうしようか」という恐怖心が
とても大きかったですが
気持ちが少し楽になりました。
姑とも今までと違う気持ちで向き合えそうです。
ありがとうございました。
※Iさん 女性(59才)その他
母や施設の利用者さん達を見る目がこれから代わりそうです。
実践に裏打ちされた先生のお話しは、具体的で分かりやすく、
心(=体)にすっと入っていけます。
ありがとうございました。
「音楽療法セラピスト養成講座」は、専門学校や大学とは違い、
どの講座から受講していただいても理解できる内容で期限がありません。
お仕事や子育てしながらご自分のペースで学んでいただけるように
なっていますから安心して参加して下さいね。
↓ ↓ ↓
音楽療法セラピスト養成講座
というわけで
ますます楽しみになってきた個別セッション。
またご報告できたらと思っています。
では、今日はこのへんで。
音楽療法セラピスト 堀田圭江子