- 堀田圭江子/音楽療法セラピスト®、音楽療法士、産業カウンセラー
- 洗足学園音楽大学 声楽家卒業。高校教員を経て音楽療法士となる。
25年以上の音楽療法の臨床経験を生かし「音楽療法セラピスト®養成講座」を主宰。
音楽療法セラピストを志す後進の育成にもあたっている。
なぜ認知症に音楽療法がいいのか?というお話し。
今では
ディサービスはじめ高齢者施設では
なんらかの形で音楽を使った活動プログラムを行うようになってきました。
音楽レクや音楽活動というのはよく聞きます。
なぜ、高齢者(特に認知症の方)の方の活動に
音楽を取り入れるといいのでしょうか。
- 音楽だと多くの方が参加できる
- 歌は盛り上がる
- 音楽があると、その場が和やかになる
- 歌う活動はそれほど準備がいらない
- 音楽の活動は楽しくできる
などが考えられると思います。
確かに
音楽を取り入れたのプログラムは音楽が嫌いな人以外、
多くの人が楽しく参加できる特徴がありますね。
しかし、理由はそれだけではないのです。
まず、認知症の方の特徴として、、、
言語理解が難しい方や
記憶が落ちてきて不安が強くなっている方が
いらしゃいますね。
症状としては
徘徊や不穏状態や
怒りっぽくなったり、反対に意欲がなくなってしまったり。
そのような場合
いくら言葉で「座っててください」「大丈夫ですよ」
などと伝えても症状は変わらないかと思います。
それでも
少しでも楽しく穏やかに過ごしていただきたいと
介護や援助する側は望みますね。
そこで
音楽の登場なのです。
実は音楽の特性に
「情動に直接働きかける」というものがあります。
この特性は
音楽を聴いたその瞬間、
- 涙がでる
- 胸が熱くなる
- 勇気がわく
などの
そして
言語理解という脳のステップを飛び越えて
直接感情に影響を与えるので言語理解が難しい方、
つまりここでは認知症の方にも
彼らの感情に直接作用するというわけなんです。
なので
認知症の方に音楽を使うことで
心が穏やかになったり、
楽しめたり、
元気を出すことができるのです。
この音楽の持つ特性を
十分に活用して認知症の方の様々な症状を改善させていくのが音楽療法です。
また
楽しむことだけではなく
利用者さんの行動や表情の変化に繋げることができます。
そのような
音楽の特性を活用したプログラムについての詳しいお話しは
「高齢者の音楽療法2」でいたします。
音楽レクや音楽の活動にプラスアルファーしたいと思われている方
音楽を使った活動をもう少し有意義に充実させたいと思われている方
などぜひご参加ください。