堀田圭江子/音楽療法セラピスト®、音楽療法士、産業カウンセラー
堀田圭江子
洗足学園音楽大学 声楽家卒業。高校教員を経て音楽療法士となる。
30年以上の音楽療法の臨床経験を生かし「音楽療法セラピスト®養成講座」を主宰。
音楽療法セラピストを志す後進の育成にもあたっている。

音楽療法は認知症や認知症予防のために
高齢者の方に対して行われていることは
最近ではよく知られるところとなりました。

しかし
障害(特に発達障害)をもつ方
に対しての音楽療法に関しては
意外と知られていない
ようです。

そこで障害児の音楽療法が
何処で、どのような事が行われているのかを
実際のプログラム例をまじえてお話しします。

何処で行われているのか

実際には

  • 特別支援学校や特別支援学級
  • 放課後ディサービス
  • 自主グループ
  • NPO団体主催の音楽療法
  • 個別音楽療法(個人宅や音楽スタジオ使用)

など様々なところで行われています。

どのようなプログラムが行われているのか

では
どのようなプログラムを実施しているのか。

この点についてなかなか詳しい情報は
ないかと思いますので
今日は実際のプログラムの1例を
紹介したいと思います。

<対象者とセッションの構造>

対象者:自閉症スペクトラウムの小学生5名
人とのコミュニケーションがうまくとれない、
または一方的である。
発語はあるが単語。おうむ返しがある。
他人の気持ちを察することが難しい。
場所:多目的室(音出しOKのスペース)
形態:半円形になって椅子に座る
伴奏楽器:キーボード1台
スタッフ:セラピスト1名、アシスタント2名
実施時間:隔週の土曜日14時から15時まで
目的:ストレス発散と発語を増やす

<プログラム>

  1. こんにちはの歌
    • 「こんにちは」という曲を使う。
      セラピストが歌の中で一人ずつの名前を呼び
      返事をしてもらう。
    • セッションの開始を意識する。
  2. 体操
    • 毎回同じ体操をする。
    • セラピストはクライアントの体調を確認する。
  3. 太鼓を叩こう
    • クライアントの前に大きな太鼓を置き
      名前を呼ばれた人が太鼓を叩く。
    • クライアントは集中して聞くことが必要になる。
  4. 好きな楽器を演奏する
    • 5個の楽器をクライアントに見せて
      その中から自分の好きな楽器を選択してもらう。
    • 伴奏に合わせて楽器を鳴らす。
  5. みんなでダンスする
    • スタッフとクライアントが手をつなぎ
      伴奏に合わせて輪になって歩いたり、
      走ったり、スキップする。
    • 大きく体を動かすことでストレスを開放できる。
  6. 一緒に歌う
    • 着席して2曲歌う。
    • 1曲は楽しい感じがするアップテンポの曲、
      2曲めは発語しやすいゆっくりのテンポの曲を歌う。
  7. さよならの歌とあいさつ
    • 「バイバイ」の歌う。
      気持ちをクールダウンする
    • 終始感を意識させ、次回予告をする

以上です。

このように
障がいのある児童の音楽療法プログラムは
「体操」「楽器の演奏」「ダンス」「歌唱」
など様々な要素
を取り入れて組まれます。決して歌だけでもなく
楽器だけでもありません。

そして楽しいだけでなく
個人目標に沿って何をするかを決めているのです。

今まで
障がい児の音楽療法のイメージが
持てなかったという方は
ぜひ参考になさってくださいね。

でも
なんとなく分かったけれど
もっと深く理解したいと思われる方も
いらっしゃると思います。

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この講座では

  • 自閉症スペクトラウムについて
  • 障がいの特性に合わせた音楽プログラムの作り方
  • 障がい児との関わる際の注意点
  • 障がいの特性に合った楽器の選び方え
  • 保護者とのコミュニケーションの取り方

について学ぶことができます。

また
VTRでのセッション場面をご紹介できますので
理解が深まります。

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それでは今日はこの辺で。

どうぞご自愛くださいませ。

音楽療法セラピスト® 堀田圭江子