- 堀田圭江子/音楽療法セラピスト®、音楽療法士、産業カウンセラー
- 洗足学園音楽大学 声楽家卒業。高校教員を経て音楽療法士となる。
25年以上の音楽療法の臨床経験を生かし「音楽療法セラピスト®養成講座」を主宰。
音楽療法セラピストを志す後進の育成にもあたっている。
本日のお話しは
「自分でご飯を食べるようになった認知症のAさん」
のお話しです。
ある高齢者施設に入所している
アルツハイマー型認知症の女性
(80歳代)Aさんがいます。
彼女は
手や腕に障害はないのに
食事を自分では食べようとしません。
そのため
職員さんが3食すべて食事介助を
している状態でした。
そして
自力で食べようとする意欲がないためか
食欲自体も減退していき
元気もなくなっていたのです。
そこで
少しでも自力で食べられるように
なっていただきたい
という職員さんの希望により
音楽療法に参加となりました。
音楽療法で取り組んだこと
Aさんが少しでも自力で食べられるようになってもらいたい
という職員さんの依頼を受け段階的に目標を設定しました。
最初の目標設定
運動量を増やして、
「お腹が空く感覚を思い出す」
ということをAさんの目標にしました。
次の目標設定
やる気を引き出し、
「自分で食べようという気持ちを持つ」
というように段階的に目標を設定。
音楽療法プログラム実施時の注意点
- 傾きがない姿勢にする
- 体操や太鼓などの体を動かすプログラムを多くする
という2点を注意して
実施していくことにしました。
音楽療法プログラム実施後のAさんの様子
プログラム開始当初
何かにつけ
「面倒くさい」といい
1つのプログラムを途中で投げ出していました。
5回目のセッション
5回目のセッションから
体操も太鼓も
最後まで集中してできるように
なっていったのです。
8回目のセッション
8回目のセッションの後、
Aさんの居室担当の職員さんが
私のところに走って来て、、、、
「先生、
Aさんがスプーンを自分で持って
ご飯を食べるようになりました。」
と教えてくれました。
私は
「すごい。すごい。よかったー。」
と共に喜びました。
そしてその後も
Aさんは自力で
ご飯を食べているとのことです。
セッションでも
最後までプログラムに
集中して参加され、
活力が戻りお元気にもなりました。
なぜ認知症のAさんが自分でご飯を食べるようになったのか
とういうことで
Aさんは自力でご飯を食べられるようになったわけですが
その理由に次のことがあげられます。
- 目標設定を段階的に設定した
- 体を使うプログラムを多く取り入れた
という2つのことです。
この2つのポイントが
Aさんの持っている力を引き出し
行動の変化につながったのでは
ないでしょうか。
このように
音楽療法は
クライアントさんが持っている力を
引き出すこともできます。
しかしそのためには
「適切な目標設定」と
「目標に沿ったプログラム」が
必要になります。
でも
- 適切に目標を設定するには
どうやったらいいかわからない - プログラムを考えるにも
あまりアイディアが浮かんでこない
と思われる方もいらっしゃるかも
しれません。
そんな方には
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(どこを変化させたらいいのか) - 楽しく効果を出すプログラムのヒント
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それでは
今日はこの辺で。
音楽療法セラピスト 堀田圭江子