堀田圭江子/音楽療法セラピスト®、音楽療法士、産業カウンセラー
堀田圭江子
洗足学園音楽大学 声楽家卒業。高校教員を経て音楽療法士となる。
25年以上の音楽療法の臨床経験を生かし「音楽療法セラピスト®養成講座」を主宰。
音楽療法セラピストを志す後進の育成にもあたっている。

本日は、
失語症の方への音楽レク、2つのポイント
についてお話しします。

脳卒中という言葉は
1度は耳にしたことがあると思います。

復習になりますが脳卒中とは、
脳出血、脳梗塞、くも膜下出血などによって
脳の細胞に栄養が届きにくくなり
脳の働きに障害が起こる状態と言われています。

そしてその後、
失語症や、体のマヒ、記憶の障害、感情の起伏が激しくなる
などなど
色々な後遺症を伴います。

実は
高齢者施設に通所されている方や
入所されている方の中にも
脳卒中による後遺症の方もいらっしゃって
私もその方たちへのセッションを実施しています。

ということで
今日は、

脳卒中による後遺症のある方(特に失語症の方)に
音楽を使ったレクなどに楽しく参加していただくためのコツを
2つお伝えしようと思います。

1、歌うことを強制しない

音楽レクなので、歌を歌うプログラムが組まれると思います。

その際に
「一緒に歌いましょう。声を出してみましょう」と
歌うことを促したくなるところですが、
あえて促さず、見守ります。

なぜなら
失語症でうまく言葉が出ないということを
クライアントご自身が認識している場合は、
失敗すること(うまく歌えないこと)を恐れているかもしれないからです。

なので
歌うことを促さず
まずは「他の人たちが歌う歌を聞いて楽しんでもらう」
という参加のかたちから入っていくことをオススメします。

2、体を動かしてから音楽をする

脳卒中の後遺症の方の1つの特徴に
「真面目」という面があると思います。
(私が出会ったクライアントさんの特徴ですが)

とてもいい1面なのですが
真面目ゆえに、
キッチリ正確にしようとされて緊張が高くなられていることが多いのです。

そんな時は
いきなり歌を歌ったり、楽器を演奏するのではなく
体を動かして力を抜いてから
音楽のプログラムを行なっていくといいです。

体がほぐれることで
気持ちもリラックスして
音楽を楽しんだり、苦手なことにも挑戦することが
できるかもしれません。

以上
2つのコツをお伝えしました。
お試しいただければと思います。

この他にも
脳卒中の後遺症の方への
音楽を使った効果的なプログラムやアプローチについては
まだまだたくさんございます。

その方法については
脳血管性障害の音楽療法」で
お話していきます。

この講座では

  • 脳卒中と認知症の違い
  • 脳卒中の後遺症がある方の気持ち
  • 適切なサポートの仕方
  • 脳卒中の後遺症がある方への効果的な音楽を使ったプログラム

などについて
詳しくかつ分かりやすくお話しします。

それでは今日はこの辺で。

音楽療法セラピスト 堀田圭江子