堀田圭江子/音楽療法セラピスト®、音楽療法士、産業カウンセラー
堀田圭江子
洗足学園音楽大学 声楽家卒業。高校教員を経て音楽療法士となる。
30年以上の音楽療法の臨床経験を生かし「音楽療法セラピスト®養成講座」を主宰。
音楽療法セラピストを志す後進の育成にもあたっている。

「音楽療法は楽しいだけじゃダメ?!」というお話しです。

最近、
いろいろな方から
「音楽療法って、いいらしいですね」とか、
「音楽療法は楽しいらしいですね」ということを言われるようになりました。

大変嬉しいのですが
同時に、、、

「音楽療法って、みんなで歌うやつでしょ」とか、
「鈴とか鳴らしてにぎやかにやってるのだよね」というお声も聞こえてまいります。

確かに
音楽療法では、歌を歌ったり楽器を演奏するプログラムがあるのですが、
ただ単に楽しむためだけに行っているわけではないのです。

楽しむ以外に何のために実施するのか?

それは
「クライアントさんが変化するため」です。

例えば

  • 認知症で全く表情が変わらない方が笑ったりするようになる
  • アルツハイマーで徘徊ばかりしている方が、
    落ち着いて椅子に座っていられるようになる
  • 意思疎通が難しいと言われた自閉症の方が、
    自分の意思を示すことができるようになる

など。

クライアントさんにとっては、

  • その人らしさを取り戻したり
  • 気分よく過ごすことができたり
  • 自分の意思を相手に伝えやすくなることで
    ストレスも軽減することができる

などのメリットがあります。

さらに
クライアントさんの変化は、
介護や援助をしている家族や周囲の方にとっても
援助のしやすさにつながり、
コミュニケーションが円滑になっていくという
良い面もあります。

しかし
クライアントさんの変化を促す音楽療法を実施するには
ただ単に音楽を楽しむだけではなく
「治療目標」が必要になります。

ここでいう治療目標とは、、、、

「このクライアントさんはどのようになったら
 この人らしく、気分良く過ごせるだろうか」
ということであり、

そのためには
「どのようなことができるようになったらいいのか」

ということなのです。

その治療目標を設定して行う活動が
クライアントさんの変化を促す活動であり
音楽療法と言えるのです。

とはいえ
治療目標の設定は簡単ではないのも事実です。

中でも
自閉症の方、アスペルガーの方、ADHDの方などの
治療目標の設定については難しいとよくご相談も受けます。

そんなご要望にお応えして

  • 治療目標の設定のコツ
  • 障がいの正しい理解について
  • 症状別の対応や親御さんへのサポートについて

の詳しいお話を
「障がい児の音楽療法2」でいたします。