堀田圭江子/音楽療法セラピスト®、音楽療法士、産業カウンセラー
堀田圭江子
洗足学園音楽大学 声楽家卒業。高校教員を経て音楽療法士となる。
25年以上の音楽療法の臨床経験を生かし「音楽療法セラピスト®養成講座」を主宰。
音楽療法セラピストを志す後進の育成にもあたっている。

こんにちは、堀田です。

さて本日は「記録と評価こそ音楽療法の要」というお話しを。

そろそろ新年度が始まって3ヶ月が経ちます。

私の甥もこの春中学生になり、最近は学校に慣れてきた様子で
「部活は楽しい」とかLINEで送ってきています(笑)。

そして
私もこの時期(6月から7月にかけて)音楽療法のスタッフで会議をもちます。

年間通して
スタッフミーティングは2回から3回(最低でも年に1回)実施するようにしています。

あるクライアントさんの例をあげて
ミーティング内容を少しご紹介しますと、、、、

Aさん

アルツハイマー型認知症の80代女性。
介護度4、発語はあるが、意味不明な言語。会話は不成立。
支えると歩くことが可能。オムツ使用。食事及び身辺はほぼ全介助。
自発性は低い。

Aさんは2015年4月の時点では

歩行時にふらつきがあるため、
食事以外居室でベッドに寝ていることが多くなっている。

そのため
人との会話によるコミュニケーションが減り
体の拘縮や認知症の進行が危惧され
音楽療法に参加する頻度を上げている状況でした。

この時点の治療目標は現状維持

そしてこの3ヶ月は

発熱などがない限り、セッションには毎回のように参加し
時折、太鼓の模倣もできたり、会話によるやりとりも成立することもあり
名前を呼ばれると「はい」と大きな声で答えることができたり
顔を上げてアイコンタクトがとれることもありました。

その様子から
状態は維持されていたと思います。

しかし
先週骨折してしまい、ただいま入院中となりました。

残念ながら
今はセッションには参加できませんが
退院後は、
状態を観察しナースやドクターと相談しながら
1日も早くセッションに参加していただきたいと思っています。

その際には
(Aさんに会ってみないとわかりませんが)
ご本人の残存機能に見合った治療目標の設定が必要になりますので
退院後決定。

それで
Aさんが退院するまでの間

他のメンバーをセッションに参加してもらうかどうかを検討し、
新しいメンバーを参加させることになった場合はアセスメントの日時を決めて、
アセスメントを実施後セッションに参加となります。

だいたいここまでのようなことを
クライアントさん全員に対して
ミーティングしていきます。

ミーティング内容を整理してみますと、、

経過報告

現時点の状態理解

治療目標の再設定

このようになりますね。

クライアントさんに対しての
「記録と評価」を大切にする理由は、、、

  • クライアントさんに対して正しい理解ができ、
    今その方に必要な治療目標の設定ができます。
  • スタッフ全員が治療目標の共有ができるため、
    普段の生活におけるサポートにも活用することができる。

ということがあるからなのです。

音楽療法の効果を普段の生活に活かすためには
スタッフ会議(評価)が必要不可欠だと思います。

さて
この会議の資料は
数ヶ月間の「セッション記録」を基に私が作成しております。

記録あっての資料であり
記録こそが私のセッションの武器でもあります

毎回記録するのは確かに面倒でもあります。
しかし
面倒を乗り越えると(笑)数倍のいいことがあります。

ぜひ「記録すること」そして「評価すること」を習慣づけられることをお勧めします。

もしも
面倒くさい記録や評価項目をどうするかの悩みを
あなたがお持ちでしたら音楽療法セラピスト養成講座「記録と評価」の講座にご参加ください。

短時間で記録でき、パパッと評価までだせる方法をお伝えします。

受講生の感想も参考にしてください。

「記録と評価」に参加された方の感想

※Sさん 女性(61才)介護職

講座内容は十分すぎるほど大満足です。

今日はありがとうございました。


※Mさん 女性(57才)介護職

記録・評価は深い内容の勉強で、
自分の音楽療法のスタイル(軸)をしっかり持つことが大切だと納得しました。

講座の回数を重ねるごとに音楽療法の深さを感じ、
音楽レクではなく治療を学んで実践できるようになりたいと思うようになりました。

先生、ありがとうございました。


※Sさん 女性(51才)アルバイト

考え方、方向性がはっきり理解できた。
また具体的なチェック項目も示され、わかりやすかったです。

最初のページの「あなたは何を大切(軸)に~」が、
やはり一番根底にある。

それによってセラピストの個性がでてくる、
また音楽療法を行っていく上でのポイントだということ。

あらためて、自分の考え方やスタイルを考えさせられた。
今回も新しい知識や考え方の方向性に触れることができ、
今後のセッションに活かしていきたいと思います。

ありがとうございました。


※Nさん 女性(36才)介護職

具体的に抑えるべきポイントが分かり、
また資料もいただけてとても参考になりました。

クライアントに提供したい軸は、全て自分が今欲しいんだということに気づきました。
モチベーションを上げたい、受容したい、気持ちを切り替えたい、、、
見事に自分に当てはまりすぎてて、びっくりしました。

今日もたくさんの気づきをいただけたことに感謝いたします。
ありがとうございました。


※遠藤さん 女性(44才)介護職

目的を持って取り組み、自分の結果として残していくことの大切さを学んだ。

日常の業務でも観察の視点を変えてみようと考えが変わりました。

本日で10回の講座を受講出来ました。
ありがとうございます。

また再受講で新しい情報を得たいと思いますので、
よろしくお願いします。


詳しくはこちらです。
音楽療法セラピスト養成講座


※Hさん 女性(48才)リトミック講師

記録・評価、その活用と、まさに期待していた事が学べました。
その中でクライアントのニーズと自分の軸を再認識することができ、
また自己受容の大切さも再確認出来ました。

自分の軸が明確になったことは大きな発見です。
ありがとうございました。

今回もあっという間の講座でした。
記録と評価にとどまらず、自己認識の大切さ、
自分自身の軸の確認と明確化ができ、一つスッキリした気分です。
ありがとうございました。


※Fさん 女性(45才)その他

客観性をもたせにくい分野でもあり、数値化するためには
どのような視点で記録したら良いのか、今ひとつわかりませんでした。

それぞれの施設、それぞれのクライアントにあわせた
オーダーメイドの評価をして良いとのことなので、
だとするならば、最初の見立ては時間はかかるが、
それにのればきちんとしたデーター化できるような気がした。

あとはプレゼンの仕方も重要だと思った。

エビデンスがあまりない中で音楽療法は、出口が見えないトンネルに
入り込んでしまいそうになるが、前例が無いのは逆にチャンスでもある。

どのような方法をとるにしても一人の力では限界があり、他職種との円滑な
コミュニケーションもまた重要ポイント

クライアントだけでなく、あらゆる人との関わりを今後もっともっと大切にしていきたい。


※Kさん 女性(44才)その他

大人数の記録のとり方や評価の仕方など、
どのようにしているのか知りたかった。

理解出来ましたが、でも少し難しそうですね。

ありがとうございました。


※Tさん 女性(32才)介護職

記録するために必要な考え方や見方、周りとの連携が必要なことが分かりました。

依頼者とセラピスト側の思いにズレがあることがわかりました。

それでも音楽療法を自分の思った形でやっていくには、
自分自身に力やスキルをつけていく必要があると思いました。

人間力も必要だと思います。
先生や参加された方々の人間力が素晴らしいと思いました。


※Kさん 女性(53才)介護職

音楽プログラムの記録をする際、何に着目したら良いかわからず、
ワンパターンな表記になってしまっていたことに悩んでいましたが、

自分の中の軸を意識すれば良いことに気づき、
頭の中が整理されました。

記録と評価の目指すところを教えていただき、取り組み方が見えてきました。


参加いただいた皆さんありがとうございました。

音楽療法セラピスト養成講座
の詳細はこちらで確認して下さいね。

では今日はこのへんで。

音楽療法セラピスト 堀田圭江子