- 堀田圭江子/音楽療法セラピスト®、音楽療法士、産業カウンセラー
- 洗足学園音楽大学 声楽家卒業。高校教員を経て音楽療法士となる。
25年以上の音楽療法の臨床経験を生かし「音楽療法セラピスト®養成講座」を主宰。
音楽療法セラピストを志す後進の育成にもあたっている。
こんにちは、堀田です。
それでは本日のお題です。
「音楽療法の記録ってどうやって書く?!」というお話しです。
音楽療法に記録って
ピンとこないかもしれません。
しかし
音楽療法の仕事はセッションを行うだけでなく、、、、
- クライアントの状態を理解し把握する
- 治療目標を設定する
- プログラムを作る
- セッションする
- 記録する
- 評価する
- 次回のセッションの準備をする
という
1から7までが1セットになっています。
中でも
記録して評価していくことはとても大切なのですが
わりとその重要さは理解されていないかもしれません。
でも
記録と評価をするとしないでは音楽療法での効果が違ってきます。
なぜなら
記録をすることで
- 客観的にクライアントを観察できる
- どのような反応をしたか変化に気付ける
- クライアントの状態把握が簡単にできる
- 他職種や他のスタッフとの情報共有ができる
- セラピスト自身の考え方の傾向やよく使っている言語から癖がわかる
などのメリットがあります。
そして
評価することで
- その時々のクライアントに適切な治療目標の設定の資料となる
- 他職種や他のスタッフとケアの方向性を共有できる
- 音楽療法の効果を客観的に見ることができる
- クライアントさんのご家族や、施設側への治療方針の説明資料となる
などのメリットもあるからです。
失語症の女性がおしゃべりできるようになった例をあげてみます。
彼女が話せるようになるまで
何年もかかりました。
しかし
話せるようになった大きな理由に
「音楽療法に関わっていない介護職員の音楽療法に対しての理解と協力が得られた」ということがあります。
実際には
音楽療法のセッション中に起こった
- 「笑う」
- 「太鼓をたたく」
- 「自分で鼻をかむ」
- 「首を振って答える」
- 「模倣して太鼓をたたく」
という反応や様子を
音楽療法に関わっているスタッフが
彼女を普段介護しているフロアースタッフに正確に伝えていきました。
その方法が、、、
まず
口頭で伝える
この方法は1度に1人か2人しか伝わらず、多くの人には伝わりませんでした。
次に
記録をステーションにおいておく
これは記録を読む人と読まない人がいて、なかなか共有できませんでした。
そして
記録を申し送りの時に読み上げ、VTRの映像を見てもらう
この方法を継続すると、
フロアーでクライアントさんに対して共通のケアができるようになっていきました。
このように
失敗をしながらも
記録を書いただけに終わらせず
他の人たちと共有し活用することで
音楽療法の効果を持続させることができたと思います。
とはいえ
「記録はどのようなことを残したらいいのか?」
「内容をどのように記載したらいいのか?」
と、迷ってしまうことってありませんか?
自分のためのメモ書き程度なら、どのような形式でもよいのですが
他職種や、クライアントさんの家族への説明資料などにする場合には
適当にするわけにもいきませんよね。
そこで
音楽療法の記録の原則は
- 「何のための記録なのか?を明確にする」
- 「誰が読んでもわかる文章で、事実を正確に書く」
- 「5W1Hを(だれが、いつ、どこで、何を、なぜ、どうした)基本に書く」
ということで、それを土台に書いていけばよいのです。
しかし
事実を正確に書くにも
推測や主観が入ってしまって
正確ではないこともあります。
例えば、、、
「手が腫れているようである」は推測が入っている表現です。
正しくは
「手の腫れが見られた。」と記載したいところです。
また
「痛そうで気になる」は書き手の主観が入っていますね。
などなど
客観性が欠けてしまっている場合も
少なくないものです。
このように
記録には押さえておきたいポイントが実はあります。
そのポイントを
音楽療法の記録の実際を通して
音楽療法セラピスト養成講座の「記録と評価」でお話しします。
- 自分の記録に自信が持てない方
- もっと効果のある音楽の時間、レクの時間にしたい方
- 他職種の協力を得て、楽しく活動したいと思っている方
- 利用者さんの意外な一面を、他のスタッフにも知って欲しいけど伝え方がわからないと思っている方
- 上司や家族に音楽の活動を報告したり、アピールしたいと思っているけどなかなか実行できない方
ぜひ、ご参加ください。
記録と評価がご自身の助っ人になるよう
アドバイスいたします。
詳細はこちら
>>>音楽療法セラピスト養成講座「記録と評価」
では、今日はこのへんで。
音楽療法セラピスト 堀田圭江子