堀田圭江子/音楽療法セラピスト®、音楽療法士、産業カウンセラー
堀田圭江子
洗足学園音楽大学 声楽家卒業。高校教員を経て音楽療法士となる。
25年以上の音楽療法の臨床経験を生かし「音楽療法セラピスト®養成講座」を主宰。
音楽療法セラピストを志す後進の育成にもあたっている。

こんにちは。堀田です。

本日は
「音楽療法で使う打楽器」についてお話しします。

当たり前ですけど、楽器は色々な種類がありますね。
打楽器や弦楽器、管楽器、鍵盤楽器、和楽器などなど

中でも
打楽器は全ての楽器中で、一番古い歴史を持つと言われています。

そのはじめは
手を打ったり、こすったりして音を出し
それから枝を使ったり、石を使ったり
いわゆる道具を用いて音を出すようになっていったそうです。

また
打楽器はお祭りや神事、仏事などにも使われていますね。

日本だと
寺社仏閣には、大きな和太鼓や木魚、金、どらなどなど
目にします。

喜びや悲しみの際に楽器は活躍しています。
古来より生活や暮らしの中に密着しているのが楽器なんですね。

 

打楽器は音楽療法の場面でもよく使われています。

伴奏用としては
ピアノやアコーディオンなどの鍵盤楽器がよく用いられますが
クライアントさんが使用するものには
打楽器の出番も少なくありません。

では、

打楽器のメリットをまとめてみます。

  • 簡単に音が出せる
  • 難しいテクニックはいらない
  • 失敗しない
  • 体にズシンと響く(太鼓系)

などがあります。

さらに

どのようなクライアントさんに有効かといいますと

  • 言語コミュニケーションがとりずらい方(会話が成立しない)
  • 覚醒レベルが低い方(ウトウトしている)
  • 怒りの感情があったり、不満がいっぱいの方

などにおすすめです。

その理由は

  1. 言語の理解がなくても、音や音楽は情動に直接働きかける特性がありますので
    楽器の音に反応し相手を認識したり、交流したりすることも可能になります。
  2. 人間の声には反応が薄い方で、いつもウトウトしているような方にも
    楽器の振動が脳を刺激して、覚醒を促せる場合があります。
    またそのきっかけになることもあります。
  3. 普段の生活の中で不満がたまっているけれど、うまく発散できない方には
    打楽器を思い切り叩いていただくことで、健康的にストレスを発散することができます。

このような理由から

打楽器は音楽療法の場面でも多く活用されているのだと思います。

 

8月は盆踊りの季節でもありますね。
盆踊りで使われる和太鼓の響きはとても心に染み渡るものです。

盆踊りの曲には
日本人ならではのリズム感とテンポ、曲調があります。

そのリズムとテンポは田畑を耕していたものとリンクし
少し哀愁のある曲調は日本人の風土や生活にリンクすると言われています。

そのせいか盆踊りの曲は
ずうーっと残るようで
私の認知症のクライアントさんたちも
盆踊りの曲が始まると手足が動き出し、歌を口ずさんでいる方が多いです。

ですので
この季節は盆踊りの曲に和太鼓を使ったプログラムも取り入れて実践しています。

すると
普段、反応が薄い方でも、和太鼓の音や振動に反応を示されていますよ。

あなたがもし音楽療法やレクの実践の場をお持ちでしたら
このように楽器を使っての音楽療法のプログラムを組み立ててみてくださいね。

 

とはいえ
楽器のプログラムだからただ単に太鼓を叩けばいいか、、、
というものでもないのです。

 

私もセッションを始めた頃はとても迷いました。

  • どんな楽器を使ったらいいものか?
  • 認知症の方にはどの楽器?
  • 自閉症の方とはどの楽器でコミュニケーションしたらいい?
  • 合奏ってどの楽器を使ったらいいの?
  • 現場には2つしか楽器ないけど?

などなど。

そして
実はメールなどで、私と同じようなお悩みをいただきます。

その質問は結構多いので
皆さん楽器で悩んでらっしゃるのだなあと思いました。

ということで
そのお悩みにお答えするべく
ソルフェージュと伴奏法」の講座を開催することにいたしました。

この講座は

  • 打楽器を使ってクライアントとコミュニケーションする方法
  • 症状別のクライアントに対応する楽器の選び方
  • 楽器を使ってのプログラムの組み方
  • 簡単な楽器だけの合奏の紹介

などの内容を予定しております。

ほとんどの時間を楽器を触ったり叩いたりすることになりますので
楽しい一日になること間違いなし。

もちろん
楽譜を読んだり、歌をうまく歌うなど必要ありません。
何の準備もいりませんし安心してどなたでもご参加いただけます。

ちなみに
この講座は今年はもう開催しない予定ですので、
今年最後となります。
お見逃しなきよう。

暑いところですが
どうぞ足を運んでいただけましたら幸いです。
>>>「ソルフェージュと伴奏法

 

それでは、今日はこのへんで。

あなたも気をつけてくださいね。

 

音楽療法セラピスト 堀田圭江子