- 堀田圭江子/音楽療法セラピスト®、音楽療法士、産業カウンセラー
- 洗足学園音楽大学 声楽家卒業。高校教員を経て音楽療法士となる。
25年以上の音楽療法の臨床経験を生かし「音楽療法セラピスト®養成講座」を主宰。
音楽療法セラピストを志す後進の育成にもあたっている。
こんにちは。 堀田です。
さて本日は「音楽療法に使う楽器の選び方」についてお話ししたいと思います。
音楽療法ではいろんな楽器を使用します。
とはいえ、楽器もたくさんの種類がありますし、対象者や症状、障がいなどによっても選択する楽器が違いますので悩むところです。
その中でも今日は「自閉症の方」とセッションする時に活用する楽器についてお話ししたいと思います。
まずは音楽療法で使う代表的な楽器の紹介です。
- タンバリンや各種太鼓やトライアングルやカスタネットやシンバルなどの打楽器
- トーンチャイムやマラカスやハンドベルや鈴などの振って鳴らす楽器
- オートハープやギターやチェロなどの弦楽器
- 木でできた民族楽器
- ツリーチャイム(金属でできた棒をつり下げてある楽器)
- オーシャンドラムやレインスティック(効果音にも使える楽器)
などなど、、、
もちろんこれ以外にもあるかと思います。
これらの楽器をセッションで使用する時の選択に関わる注意点をお話しします。
(1)対象者の方は、苦手な音がないかどうかを確認する。
自閉症の方の中には、高い音が苦手な方もいらっしゃいます。
また、シンバルの音や金属音、低い音が苦手の方もいるかもしれません。
楽器を使用する前には必ず対象者の方が苦手な音がないかどうかのリサーチしてください。
(2)視覚的なこだわりの有無の確認。
自閉症の方の中には、「光るもの」が気になってしまう方もいます。
トライアングルやシンバルなどの金属でできている楽器は、蛍光灯などの照明にあたると光りますので、光る物に意識が集中してしまう場合は避けた方がよいかもしれません。
また、楽器の一部分が金属でできている場合、そこに自分の顔が写ると、その写っている顔に集中してしまうこともあります。
その場合も選択には注意が必要になります。
(3)参加者がけがをしない物を選択。
楽器の中には、金属で重量がある物があります。
楽器は元来音を出すためのものですが、参加者が意図としない動作(振り上げた楽器が隣の人にあたってしまうなど)で思わぬケガになってしまうこともありますので扱う場合は注意しましょう。
また、口に入れてしまうことがあっても、口を切ったりしないような安全な物を選択しましょう。
(4)対象者の楽器に対する興味の有無を確認。
いくらセラピストがよい楽器だと思った楽器でも、対象者が全く興味を持たなければプログラムになりません。
まずはセラピストが楽器使ってみせて、対象者の反応を確認しましょう。
楽器を活用する前に意識しておきたいことです。
(1)楽器を使う目的を明確にする。
例えば
- トライアングルを使うことで、集中力を高める
- ジャンベ(アフリカの太鼓・民族楽器)を使うことで、ストレスを発散する
などの楽器の使用目的を明確にしてから演奏にはいりましょう。
そうすることで、効果も明確になります。
(2)セラピストは楽器の特性を理解しておく。
基本的なことですが、意外と見落としがちなところです。
セラピストは楽器をうまく弾きこなせずとも、その楽器が持つ音域や操作性、音色についての基本的知識を持ちましょう。
まとめ
自閉症の方にも楽器のプログラムは効果的です。
しかし、効果を出すには、何となく楽器を使うのではなく、対象者の特徴をよく理解し、個人目標にそった楽器を選択することが大切になります。
自閉症はじめ発達障がいの理解と楽器選択および活用方法についての詳細は、「障がい児の音楽療法1、2」でお話しします。
↓↓↓
>>>「音楽療法セラピスト®養成講座」の日程
対象者の方々と楽器をさらに楽しく効果的に使っていきましょう。
では
今日はこのへんで。
音楽療法セラピスト® 堀田圭江子
音楽療法士についてとても共感しました。
音楽を通して、自然に癒されるを具現化された考えはとても素晴らしいです。そこでご相談があります。現在、私は通信制の高等学校で働いています。私はサックスの経験があります。吹奏楽部を4月からスタートしようとしておりますが、生徒層は障害を持った生徒という生徒だけでなく、不登校だった生徒、ひきこもりなど以前に精神的に傷を負ってしまった生徒が多くいます。この観点と吹奏楽部に取り入れて、生徒を音楽を通して社会に生き抜く力をつけさせてあげたいと考えております。
メールマガジンよく読んで勉強させていただきたいと思います。