堀田圭江子/音楽療法セラピスト®、音楽療法士、産業カウンセラー
堀田圭江子
洗足学園音楽大学 声楽家卒業。高校教員を経て音楽療法士となる。
25年以上の音楽療法の臨床経験を生かし「音楽療法セラピスト®養成講座」を主宰。
音楽療法セラピストを志す後進の育成にもあたっている。

さて本日は
「サウナで音楽療法?!」についてお話しします。

私はスポーツクラブに通っています。
そのスポーツクラブでは、運動をした後に必ずサウナに入ることにしているので
先日もゆったりとした気分で階段式になっているサウナに座っていました。

そのサウナには
はめ込み式のテレビがあり、いつもNHKの番組がセットされています。

それで
何の番組かわかりませんが
民謡が流れていました。

1曲目は私は知らない民謡だったのですが、
2曲目は「黒田節」でした。

♪さーけは、のぉーめーのぉーめ、のぉーむぅーなーらーばぁー♪ と聞こえたその時、
私の背後からハモる声が聞こえるではありませんか!

(確かこの曲はハモらないはずだけど…)

そして
その声は次第に大きくなり、
最後にはテレビの音より大きくなりました(笑)。

その後
「ああいいねえ。いい歌だねえ。幸せだわ。」

と一人ごとを言う声が聞こえました。
(かなり大きい独り言ですが)

そして
その人はサウナに入ってくる人たちに挨拶したり、

顔見知りには
「今日はいいことあったよ。さっきテレビで黒田節が入ってさ、私嬉しかった。」

と話していました。

話しかけられた人は
「あなた民謡やっていたの?」

 とか
「歌好きなんだ」

 とか
「今日は元気いいねえ」

などの返事をし
どんどん話題は広がりをみせていきました。

この様子を私は見て
「これも音楽療法じゃないの」と思ったのです。

実は
この黒田節をテレビに合わせて歌っていた方は、
普段は誰かと楽しく話している場面など見たことはなく
私は「静かな人」という勝手な印象を持っていた方でした。

しかし
実は歌は歌うし、結構おしゃべりもする人だったのです。

びっくりです!

きっと
黒田節(音楽)が情動を動かし、
その方の(この歌歌える•この歌好きからの)安心感と幸福感を呼び覚まし
その気分が別の一面を引き出し
コミュニケーションも円滑にいった
ということだと思います。

もちろん
ご本人は意識していないとは思いますが
周りで見ていても楽しい場面でした。

このように
意識していなくても、音楽の力に助けられていることって
少なくないと思います。

そして多くの場合は
音楽の力をご自分のために活用しているのが普通だと思います。

しかし
さらに音楽の特性を知って、治療目的を持って音楽を活用して、
何かをしようとするのは音楽療法になります。

音楽療法は
たくさんの効果がありますが、まだまだ認知されていないのが現状です。

でも
嘆いていてもはじまりません。

楽しくて効果のある音楽療法を多くの人に伝えていき、
必要とされている一人でも多くの方に体験していただけるように
これからも頑張っていきたいと思っています。

あ!そうでした。

2月1日に発売の「レクリエ」
もうお読みくださいましたでしょうか。

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私の担当のページも
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では、今日はこのへんで。

音楽療法セラピスト 堀田圭江子