- 堀田圭江子/音楽療法セラピスト®、音楽療法士、産業カウンセラー
- 洗足学園音楽大学 声楽家卒業。高校教員を経て音楽療法士となる。
25年以上の音楽療法の臨床経験を生かし「音楽療法セラピスト®養成講座」を主宰。
音楽療法セラピストを志す後進の育成にもあたっている。
こんにちは。
音楽療法士の堀田です。
七夕は昨日でしたね。
でも、東京は雨。
天の川は見えませんでした。
昨日
老人ホームに行きましたら
きれいな七夕飾りがあって私は見とれていました。
そこに、クライアントさん(認知なし)がやってきて
「先生、そこに願いごと書いても叶わないから、もう書くのやめたわ」
と言いました。
「ちなみになんてお願い書いてたの??」と私が聞くと
「3億円あたりますように」だよ。
ぶぶっっ!
○○さん、そりゃなかなか叶わないかもね(笑)。
昨日は、そのクライアントさんたちと
認知予防のためのコーラスをやってきました。
というわけで今日は
「認知予防の音楽療法」についてお話します。
最近少しずつ耳にするようになりました「認知予防」。
認知症にならないためにいろんな方法がありますね。
私も認知予防のために行っているのは「コーラス」という名目の音楽療法です。
参加者は80代90代の認知なしの女性、15人。
でも、
高齢者特有のこだわりや頑固な方が多いため
人間関係も複雑で派閥があって
たまにもめたりします(笑)。
そんな中、歌を歌っています。
- 発声
- 体操
- 歌唱
の3本立てですが、音楽療法的アプローチとしては
ただ歌うだけではなく
歌にまつわる話や、時代背景、その時の流行っていたものなどを
私が提供するのではなく、参加者に話してもらっています。
そして、
同じ人がいつも発言するのではなく
均等に発言できるように、
こちらから指名する場合もあります。
もちろん、
曲についてのテクニック的な指導はするのですが
(もっと強く・ささやくように・音程下がっていますよ など)
ギャグを入れたり、一人つっこみぼけをしたりして(笑)
ピアノを弾きながら盛り上げています。
要するに
会話と歌そして笑い。
この3つの要素をコンビネーションさせているわけです。
その中でも音楽療法的に
プログラムしている所があります。
それは…
- リズムが少し複雑な曲
- 高い声を出す曲
- 歌詞が少し早口になるところがある曲
- 英語やドイツ語が歌詞の一部分に入っている曲
などなど
「少しだけ頑張る」ところがある曲を選曲し
何回も繰り返して練習するところです。
ここで大切なのは
「少しだけ」です。
ちょっとだけ頑張るとクリアできる目標を設定するのがポイントなのです。
ちょっと頑張るには
集中が必要ですね。
そして
クリアできたら達成感につながる。
脳の中にはアドレナリンが分泌されます。
それこそが
認知予防になるのです。
でも参加者は
何の苦もなく楽しみながら
脳を活性化しています。
コーラス終了後は、皆さん口々に
「もう終わり?早いわね」と言われます。
素晴らしい集中力!
楽しいと時間って早く過ぎますよね。
このように、
音楽は治療するだけではなく
予防にも活用できます。
これからも、さらに活用していきたいと思います。
ちなみに、「少しだけ頑張る」と言うことで今回選曲した曲は
二葉あき子さんの「水色のワルツ」です。
あなたの参考になったら嬉しいです。
それでは、今日はこの辺で。
音楽療法士 堀田圭江子
追伸:
今週末も「高齢者の音楽療法ブラッシュアップ講座」です。
はりきっています。うふっ。